
筋トレを休んでも、体は覚えてる?「マッスルメモリー」って何?
筋トレを頑張って続けていたのに、忙しい日々が続いて、気づけばしばらくジムから足が遠のいていた…。
「もう筋肉落ちちゃったかも」「またゼロからのスタートかな」なんて不安になった経験、ありませんか?
でも、久しぶりにトレーニングを再開してみたら、意外とすぐに体が動くし、思っていたほど筋力も落ちていなかった——
そんな嬉しい驚きを感じた人も多いはずです。
それはきっと、「マッスルメモリー(筋肉の記憶)」が関係しています。
マッスルメモリーとは、一度鍛えた筋肉が、時間が経っても完全にはリセットされず、再びトレーニングを始めると以前の状態に戻りやすくなるという現象。
つまり、頑張って積み重ねてきた努力は、たとえ一時的に止まってしまっても、無駄にはならないのです。
「また頑張ろう」と思えたとき、その背中をそっと押してくれるのが、このマッスルメモリーの存在かもしれません。
マッスルメモリーってどういう仕組み?
1. 筋肉には「記憶する細胞」がある
筋トレをすると、筋肉の中に「筋核(きんかく)」という、筋肉を大きくしたり修復したりする働きをもつパーツが増えます。
この筋核は、筋トレをやめてもすぐにはなくなりません。つまり、「一度鍛えた筋肉の準備が、体の中に残っている」のです。
だから、しばらく運動をサボっても、また始めれば前よりも早く筋肉が戻るというわけです。
. 遺伝子レベルでも「筋肉の記憶」が残る
筋トレを続けると、体の中で「この人は運動する人だ」と遺伝子に伝わり、運動しやすい体のスイッチが入ります。
これも一度スイッチが入ると、運動をやめても長く体に残っていて、再開すると素早く反応するようになります。
参考文献
参考文献
タイトル:Human skeletal muscle possesses an epigenetic memory of hypertrophy
著者:Adam P. Sharples ほか
掲載誌:Scientific Reports
巻・号:Vol. 8, Article number: 1898 (2018)
ページ数:全21ページ(電子版)
DOI:10.1038/s41598-018-20287-3
出版社:Nature Publishing Group(Springer Nature)
どう活かせばいいの?
- 若いうちに筋トレを始めると、後で楽
一度でもしっかり鍛えた経験があると、年齢を重ねても再開しやすくなります。 - 途中でやめても大丈夫!
筋肉の「記憶」が残っているので、また始めればちゃんと戻ってきます。気負わず、気軽に再スタートしましょう。 - 年齢に関係なく、筋肉はよみがえる
シニアの方でも、筋トレによって筋肉の記憶は作れます。遅すぎるなんてことはありません!
まとめ
筋肉は、あなたが一度頑張ったことをちゃんと覚えています。
たとえブランクがあっても、また動き始めれば、体は応えてくれます。
だからこそ、「やめたら終わり」ではなく、「また始めればOK!」という気持ちで、無理せず続けていきましょう。
【マッスルメモリーまとめ表】
項目 | 内容 |
マッスルメモリーとは? | 一度鍛えた筋肉が、しばらく休んでも再開すると早く戻る現象 |
関係する仕組み① | 筋トレで増えた「筋核」が、筋肉内に長期間残る(記憶装置のような働き) |
関係する仕組み② | 筋トレが遺伝子に影響し、運動に適した体のスイッチが入る(エピジェネティクス) |
効果が出るまでの時間 | トレーニング再開後、数週間で筋力・筋量が回復しやすくなる |
初心者にうれしい点 | 一度でも筋トレをした経験があると、ブランクがあっても体はすぐ反応する |
高齢者にも有効? | はい。年齢に関係なく、筋核は増え、記憶され、再スタートがしやすくなる |
おすすめの考え方 | 「一時中断しても大丈夫。また始めれば体は応えてくれる」 |
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