―― 年齢のせいでも、根性不足でもなかった ――
ある日、朝起きたら腰が伸びなかった
朝、目が覚めて布団から起き上がろうとした瞬間。
「あれ?」
腰が伸びない。
前の日まで普通に現場に出ていた。
重いものも持ったし、しゃがんだし、いつも通り働いた。
特別なことは何もしていない。
それなのに、
腰だけが先に起き上がれなくなった。
これ、珍しい話じゃありません。
むしろ建築職人なら
一度は通る道だと思います。
病院に行くと、だいたい言われるのはこの一言。
「年齢ですね」
……いや、分かってるんですけどね。
でも、同じ40代でも
腰を壊す人と、壊さない人がいるのはなぜなのか。
今日はその話です。
「重いものを持つから腰を壊す」は半分だけ正解
腰痛の原因として一番言われるのが
「重いものを持つから」。
もちろん、間違いではありません。
でも正直に言うと、
一番危ないのはそこじゃない。
本当に腰に来るのは、
- 置くとき
- ひねりながら位置を合わせるとき
- 中腰で「あと5センチ」をやるとき
このへんです。
現場って、
「はい、ドン!」で終わらないですよね。
むしろ細かい調整の連続。
一番やってる動作なのに、
一番意識していない。
それが腰に一番効いてきます。
本当の原因① 腰が働きすぎている
本来、体を支えるのは
腰だけじゃありません。
- お腹
- お尻
- 太もも
このあたりが一緒に仕事をするはずなんですが、
現場仕事を長くやっていると、
全部腰が引き受ける体になっていきます。
真面目な人ほど、これです。
「腰でやった方が早い」
「腰でいけちゃう」
その積み重ねで、
腰が主役になってしまう。
でも腰って、
主役を張れるほど丈夫にはできていません。
本当の原因② 疲労が抜けないまま使い続けている
これ、耳が痛い人多いと思います。
- 朝は痛いけど、動けばマシ
- 湿布貼って現場へ
- 帰る頃にはまた重い
そして次の日も同じ。
「昨日よりマシだから大丈夫」
これ、ほぼ全員やってます。
でも実際は、
治ってないまま使い続けているだけ。
腰は我慢強いので、
ギリギリまで文句を言いません。
だからこそ、壊れるときは突然です。
本当の原因③ 年齢じゃなく「準備不足」
40代になると、
「もう若くないから仕方ない」
そう思いがちです。
でも、
本当に差が出ているのは年齢じゃありません。
- いきなりフル稼働
- 準備運動なし
- 体は冷えたまま
若い頃と同じ入り方をしていること。
これが一番危ない。
体力が落ちたというより、
支える準備ができていない。
それだけで、腰への負担は一気に増えます。
腰を壊しにくい職人がやっていること

不思議なんですが、
腰を長年壊していない職人って、
特別なことはしていません。
- 無茶な重量は扱わない
- 動きが雑じゃない
- 体を「支えられる状態」にしている
筋トレをしている人も多いですが、
ムキムキなわけじゃない。
あくまで
腰を守るための補強。
実際にやっている
「週2・20分で体を守る筋トレメニュー」は
こちらの記事でまとめています。
腰を鍛えようとしないこと。
腰は、
頑張らせる場所じゃありません。
休ませる場所です。
- 他の筋肉に仕事を分ける
- 腰は最後に残す
- 「腰が楽か?」を基準に動く
これだけで、
現場の終わり方が変わります。
これ、現場でよく聞かれる
Q:コルセットってどう?
A:痛い時の「応急処置」としてはアリ。でも頼り切ると弱ります。
Q:休んだ方がいい?
A:本当は休みたい。でも「守りながら動く」選択肢も必要。
Q:ストレッチだけじゃダメ?
A:気持ちいいけど、支える力は別問題。
腰は裏切らない。でも限界はある
腰って、
文句を言わずに働き続けてくれます。
だからこそ、
壊れたときは一気に来る。
でも逆に言えば、
ちゃんと準備して、
仕事を分けてあげれば、
長く持ってくれる場所でもあります。
年齢のせいにしなくていい。
根性論もいらない。
必要なのは、
「壊れない使い方」を知ること。
それだけで、
5年後、10年後の不安は
確実に減ります。


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